それでもダメだったなら、あゆみちゃんが死ぬ原因となった私が何を言ってもダメだ。
武司が動かないなら、私にできる事は早く「カラダ探し」を終わらせる事だ。
「ほ、本当に明日香が言った通りになったね……探すんでしょ? カラダを」
震える声で尋ねた日菜子に、私はうなずいた。
小川君も中島君も、見えない壁があるとわかれば校舎の中に入ってくる。
無駄な時間だとわかっていても、見なきゃ納得しないなら、見てもらった方がいい。
暗く、冷たい空気が張り詰める校舎の中。
避難口通路誘導灯の緑色の光が照らす廊下。
二度と味わいたくなかった感覚が、再び私を包み込む。
「じゃあ、東棟と西棟、どっちから調べる? あ、それとも生徒玄関から?」
「あなた、どこまでバカなの? 最初は工業棟に決まってるでしょ? 遠くの場所から、徐々にそこのホールに近づかないと、最後にとんでもない事になるでしょ?」
私達がやっていた事を、あっさりと否定する遥。
でも、私はそれに反論ができなかった。