「も、森崎さん! いいんだよ! 『カラダ探し』をする前だったら、意味もなく『死ね』って言われてたんだから。見えない所に行けなんて優しい言葉をかけてくれたんだ、眠らせてあげてよ」
それが優しい言葉なの!?
武司も武司だけど、小川君も小川君だよ。
「ダメだよ、そんな負け犬根性丸出しじゃあ。こういう時はガツンと言ってやらなきゃ」
「そんな事したら、ガツンと殴られちゃうよ。僕は森崎さんみたいに袴田君と仲がいいわけじゃないから。それより、『赤い人』がどうとか言ってなかった?」
私とは普通に話せるのに、同性と話せないなんて不思議だなあ。
まあいいや。
ガツンと言って、ガツンと殴られるってなら、無理にとは言えないからね。
確かに中島君はボッコボコにされてたし。
「うん、『赤い人』の『呪い』を解こうと思ってるんだけど、ちょっと問題があってね。幽霊を追い払わないといけないんだ」
ちょっとどころじゃないかな。
ただの高校生である私が、どうやってそんな事をすればいいのか。
「カラダ探し」が終わった後の事というのが、変な余裕を生んでいた。