「私が『カラダ探し』をしていた時に、高広がいれば結果は変わっていたかもしれない。明日香もそうよ。高広がいなければ、もっと悪い結果になっていたはずよ」


高広の話をする時は、遥の顔も穏やかになる。


認めたくはないけど、好きなのかな……やっぱり。


「だから……こんな世界なんて壊れればいいのよ。ママに殺されて、誰も私の事を心配なんてしてくれなかった。こんな腐った世界、私はいらない」


ひとつの事でそんな風に思わないとは思っていたけど……ここまでひどいのなら、私が遥の立場だったら同じ事を思ったかもしれないな。


「世界を壊せるかどうかはわからないけど、だったら『呪い』を解こうよ。もしかすると、その反動で世界が変わるかもしれないんだからさ」


「そんな事……」


今回の「カラダ探し」が始まった時はかたくなに否定していた遥に、どんな心境の変化があったのか、迷っているようにも見える。


協力できないというならそれでもいい。