控えめで、語りかけてくるような笑顔が……何だか寂しく見えた。
「それで、最後のカラダを納めて、遥が棺桶に入ったんだね」
どんな思いで棺桶に入ったのか。
もしかすると、遥しか残っていなくて、入るしかなかったのかもしれないけど。
「そうね。何も知らなくて、皆を殺しちゃったから。半年間操られていた私は、皆にとってただの敵でしかなかったの。誰も……私に協力してくれなくなっていたから」
「赤い人」に殺されて、皆から嫌われて。
辛かっただろうな。
仲がいい私達を、遥は羨ましく思ったのか、それとも疎ましく思ったのかな。
だから私のすべてを壊そうとした。
……同情はするけど、いい迷惑だよ。
「カラダ探し」がなければ、遥とこうして話をする事もなかったはず。
「明日香と交代して目が覚めたら……ママはもうこうなってた。今は叔母さんがお金を出してくれてるらしいけど、実感なんて全然ないわ」
私の代わりに目覚めても、遥にとっては何もいい事がなかったんだね。
「もしかして、高広を取ろうとしたのは……」
何処かに自分の居場所を求めていたからなのかな。