正解だと思ったのに……違うって言うなら、遥の言ってる事がわからないよ。
「じゃあ、今私達がいる世界って何なの? それこそパラレルワールドじゃないの?」
「そんなあるかどうかもわからない世界じゃないって言ってるじゃない。ここよ、ここにある世界」
そう言って、遥は私の胸を指差して見せた。
……ますますわからないよ。
「え、遥のそこにもあるって事だよね?」
理解できなくて、同じように遥の胸を指差して見せる。
「ここだって言う人もいるかもね」
次に指差したのは頭。
「どこにあるかわからない世界なんかじゃない。私達が感じている世界だと、私は思ってる」
わかるようなわからないような。
それだと、世界は人の数だけ……いや、もしかすると生物の数だけ存在してるって事だよね。
ひとりひとり感じ方が違って、見えてる物は同じでも、少しずつ何かが違う。
そんな事が頭に浮かんだけど、上手く言葉にできないし、例える事もできない。
「理解できる? 例えば……手の上に大きなガラス玉が乗ってると想像してみて」
大きなガラス玉……よくはわからないけど、遥に言われた通りに想像してみる。
小さくないなら、両手じゃなきゃ持てないよね。
両手で、持っているフリをして見せた。
「こんな感じ?」