なんて話を外でしているんだろう。
ここの住人に聞かれたら、警察に通報されかねない内容だよ。
「それは……だから何なのよ! それこそあんたには関係ない事じゃない! そうやって何でもかんでも人の事に首突っ込んで! なんでそんな余計な事するわけ!? あんたも私が嫌いなんでしょ!? ならいいじゃない! もう放っておいてよ!」
いつものような、冷淡な言葉じゃない。
熱のこもった、本当の遥の言葉と感情。
それを初めて感じていた。
だからこそ退けないよ。
ここで退いたら次にはまた、仮面を被ったような言葉になってしまうかもしれないから。
「嫌いだよ、平気でひどい嘘ついて、いつも何でも知ってますみたいな顔してるんだから。でも、今は一緒に『カラダ探し』をしてる仲間なんだから仕方ないでしょ! 遥が必要なんだから! 開けてくれないなら、壊してでも入るんだからね!」
なんて、そんな事をする勇気なんてないけど、売り言葉に買い言葉というか……ついつい声を荒げてしまう。
とりあえず辺りを見回して、軒下に放置されていたペンチを拾おうと、それに近づいてかがんで手を伸ばした時だった。