「とりあえず、遥にも話を聞かないと。日菜子、遥の家の場所を教えてくれない? 学校に来てないんだ。行って話をしなきゃ」


「別にいいけど……口止めされてたけど、私、だまされてたしね。教えてあげる」


その意識が強くあるのだろう。


少し悩んだようだったけど、すぐに教えてくれた。


もう、遥に対する友情はないと言わんばかりに、約束を破ったのだ。


それも、この状況では仕方がない。


「ありがと、そこの山の向こう側のアパートだね。今から行ってみる。日菜子は……行かないよね?」


聞くまでもない事だけど、何か遥に伝えたい事でもあればと思ったけど。


「明日香が話を聞いてて、私の事をひどく言ってたら、『死ね』って言っておいて」


「もしも、すごく反省してたら?」


遥が反省するとか、とても考えられないけど、この返事次第では日菜子と遥が仲直りできるかもしれない。









「ないと思うけど……その時は私に教えてよ。電話でいいからさ」


何を言うのかはわからないけど、話をしようと思ってくれただけでもよかったよ。


「わかった、じゃあ行ってくるからね。ところでどうしてずっと布団から出ないの? この部屋、そんなに寒くはないと思うんだけど」


「どうしてって……服着てないもん。ほら」