「八代先生は、急遽儀式が行われたって言ってたけど、急いでやらなきゃならない状況は……って、答えを言わないうちに別の事で話が終わっちゃったんだ」


話してくれるようにはなったけど、まだ本調子ではないようで、ポカンと口を開けて空を見ている。


日菜子、来ないな。


やっぱり「昨日」の事で、学校に来るのを迷っているのかな。


翔太からの答えを待っている間に、そんな事を考えて、私もポカンと口を開けて空を見上げる。


「そりゃあ……あれだろ。殺された美子を生き返らせようとした……って事じゃないの? 急遽って事は、何にでもすがりつく思いでやったんじゃないのか?」


美子を生き返らせる……。


そう考えるのはわからなくもないけど、それでも美子は生き返らなかったんだよね?


それどころか、黒くて怖い人なんてものが呼ばれた。


「だったら、美子が生き返らなかったのはどうして? 生き返るどころか、『赤い人』なんてものになってさ」


「あ、あのなあ……冷静に考えてみろよ。そんなに簡単にホイホイ人が生き返るわけがないだろ」