そうだ、「カラダ探し」だと、ドキッとして目を開けた私の顔を、日菜子が不安そうな表情を浮かべてのぞき込んでいる。
冷たい風が吹き抜ける生徒玄関前の広場。
ここ数日で一気に冷え込んだから、そろそろコートが欲しいところだけど、無理なんだろうな。
慌てて身体を起こした私が辺りを見回すと、日菜子の声で目を覚ましたのか、遥も目をこすりながら身体を起こしていた。
「始まったの? ……香山さん? 後のメンバーは……」
そう言いながら立ち上がった遥は、まだ横になっている3人を見て動きを止めたのだ。
「うん? どうしたの? 誰が呼ばれたの?」
どうも遥は人の好き嫌いが激しいみたいだから、反応を見てもわからないんだよね。
そう思って立ち上がり、近よってみると……。
そこにいたのは、小川君と中島君。
奇しくも、遥が昼休みに言っていた、一緒にしたくないふたりがそこにいたのだ。
そして……もうひとり。
花壇にもたれて、うな垂れている金髪。
死んだような目で一点を見詰めていたのは……武司だった。



