「そんなんじゃわかんないって。はぁ、朝からテンション下がるわぁ」
ハッキリしているのが留美子のいいところだけど、それはハッキリ言わなくてもいいんじゃないかな。
私にしてみれば、学校に来てくれるかなと思っていた武司と、朝一で家の前で出会ったから、うれしかった。
問題はここからなんだよね。
遥と日菜子、黒くて怖い人の事。
特に問題なのは前者。
ふたりの気持ちがわかるだけに、上手く間に入る事ができるかが不安だった。
学校に到着すると、留美子は逃げるように教室に入っていった。
そんな留美子を見て、武司は「チッ」と舌打ちをしていたけど。
どうせ武司も教室に行くんだから、急いだって意味はないのに。
それよりも私が気になるのは遥の方だ。
日菜子はいつも私よりも登校するのが遅いから、いなくても何も思わないけど……。
今日は遥が道で待っていなかった。
そんな気分じゃなかっただけかもしれないけど、少し気になるな。
教室に入って見回してみても……遥はいない。
屋上にいるのかな。
「おうコラ! ゴミクズ!! とりあえず殴らせろや!!」