「チッ。調子が狂うぜ」
その違和感は、武司が一番感じているのだろう。
一度も高広を見ようとしない。
「そうそう、『昨日』私が見た時、カラダは5つ集まってたよ。今が五日目だから……かなりいいペースなんじゃないかな?」
「まだあと3つもあるじゃねえかよ。俺は早くこんなクソみてぇな世界、ぶっ壊してぇんだよ」
妹がいない世界には何の未練もない……か。
なんか結子が可哀想だな。
武司の彼女で、大切な人には違いないのに、それでも壊したいだなんて。
しばらく歩いて、留美子が合流する場所。
「おはよ……うげっ!! た、武司!!」
「ああ? 俺がいちゃ悪いのか?」
予想通りの留美子の反応だったのに、そのやり取りに吹き出してしまった。
「別にいいんだけど……うげっ、とか言っちゃったよ。明日香、これどうなってんの?」
いいとは言いつつも、何だか嫌そうな留美子。
「カラダ探し」でさんざん邪魔されたって言っていたし、よくは見る事ができないという気持ちはわかるんだけどね。
家の前で一緒になってしまったのに、今さらひとりだけ先に行ってとも言えないよなあ、武司ならひとりでだって行くとは思うけど。
「いろいろあったんだよ。本当にいろいろね。で、武司が立ち直ったわけ」