「きゃああああああああっ!!」


金縛りが解け、溜まっていた恐怖を吐き出すように叫び声を上げて飛び起きた。


いつものベッドの上、訪れた今日の第一声。


昨夜はいったい何が起こったのか、あの時は考える余裕などなくて、今改めて考えてみるけど……どこから、何から考えていいかがわからない。


黒くて怖い人はいつからいたのか。


そうなると、日菜子は本当に遥の所に行ったのかさえ、嘘なんじゃないかと思える。


「学校で聞くしかないか」


「昨日」はいろんな事があった一日だったな。


さすがに今日は、あんな濃い出来事はないとは思うけど。


考える事が多くありすぎて、私ひとりでは整理しきれないよ。


ベッドから降りて、ペットボトルがふたつ置かれたテーブルの横を通り過ぎ、床に落ちている制服を手に取ってベッドへ。


それをベッドの上に置き、私は部屋着を脱いだ。


「美子は渡さない……か」


「赤い人」に首を飛ばされた後、黒くて怖い人は、「赤い人」の中に入っていったように見えた。