ホールに入ると……人影が、棺桶の前でうごめいていたのだ。
「だ、誰!?」
思わず上げた声で、驚いたように顔をこちらに向けた……ような人影。
握りしめていた携帯電話を開き、照明をその人影に向けると……。
「光を向けるなよ」
そこにいたのは……中島君だった。
どこに行ったのかわからなくて、気にしてもいなかった中島君。
なんて、口が裂けても言えない。
それにしても、ここにいるって事は……もしかして、中島君もカラダを見つけたのかな。
照明を棺桶の方に向けて、近づいてみると……納められているカラダが増えてる。
「あ、カラダを見つけたんだね! 腰と脚が増えてる。1、2、3……小川君が右脚を持ってるから、後ふたつだね……って、あれ?」
残るカラダの数を数え、今日だけで一気に集まったと喜びそうになったけど。
私はそこで、妙な事に気づいた。
「小川が右脚を? 森崎さん、何言ってんの? 右脚ならもうここにあるだろ。それに……どこにあのデブがいるっての?」
え?
何を言ってるの?
私の後ろにいるじゃない。
だけど、この感覚は何だろう。