夜の校舎で、カラダを探す事以外の目的があるとすれば……。









「遥に復讐? ま、まさかね」








そんなのは最悪の可能性だ。


悩んで悩んで出した答えが復讐なら、悩んでいてくれた方がずっといいよ。


だけど、今それを止めに行く事はできない。


この部屋を調べて、三階に来なくていい状況を作る事が先だ。


不安になりながら、必死に部屋を調べていても、考える事は日菜子と遥の事ばかりだった。


それから5分ほどかけて、視聴覚室を調べた後、私は大きな溜め息を吐いた。


「はぁ……見つからないな」


この階には音楽室にあったし、もうないのかな。


ひとつの階にカラダはひとつって決まりはないから、ふたつある可能性もなくはないよね。


これから私はどうすべきか。


もう遅いかもしれないけど、遥の所に行って、日菜子が復讐しようとしているなら止めるべきか。


それとも、今日はもうそれは諦めて、生産棟の二階を調べ始めるべきか。


遥なら……間違いなく二階を調べろって言うだろうなあ。


どちらにしても下に行かなきゃならない。


視聴覚室を出た私は、ここから一番近くにある東側の階段へと向かった。


もしも日菜子が遥を殺そうとしていたとしたら、私はどうすればいいんだろう。