この話が本当だとすると、美紀の「呪い」を解いてしまえば、美子は自由になってしまうって事だよね。
世界が変わらなかったらそうなるって事?
やっぱり私がやらなければならないのは、美子の「呪い」を解く事だ。
「黒くて怖い人がいなくなれば、美子はどうなるの?」
他にはもう、美子の「呪い」を解く手かかりがないよ。
「美子ちゃんが美子ちゃんに戻ると思うの。赤い服が欲しいって泣くかもしれないから、それも嫌だなあ」
……つながった。
美雪が「呪い」を解こうとしているなら、私も少しは何か手伝いたいと、漠然と思っていたけど。
すべての元凶は黒くて怖い人だ。
「わかった。お姉ちゃんが『カラダ探し』を終わらせたら、黒くて怖い人を追い払ってあげるから」
最後の引き出しを開けて、中に何もない事を確認した私は、美紀にそう答えた。
私がこれからやるべき事は完全に決まった。
「カラダ探し」を終わらせて、黒くて怖い人を追い払えばいいんだね。
どうすれば追い払えるのかはわからないけど、あの地下室に入る事ができさえすれば、何とかなるかな?
「うん、美紀ちゃん待ってるからね。あ、それと……お姉ちゃんは気をつけてね」
話が終わったかと思ったのに、まだ何かあるのかな。
「な、何に気をつけなきゃならないの?」
「赤い人」にはいつも気をつけてるつもりだけど。