「え、えっとさ、仮に『カラダ探し』をしなきゃいけないとして、一度やってるなら簡単に終わるんだよね? 死ななくても済むよね?」


「ゴメン、簡単には……終わらないよ。何回も死ぬ事になると思う」


「そんなぁ……」


身体中の力が抜けたように、ぐったりと私の肩に額をつける日菜子。


怖がりで気分屋だけど、素直なのが日菜子のいいところだ。


これでわかっているのは、私と遥と日菜子。


この3人がいれば、初日でもカラダのひとつくらいは見つけられるかな。


「あ、お母さん? 今日さ、友達の家でレポート書くから帰りは遅くなるよ。夜中になると思うけど、帰るから大丈夫」


納得するのは0時になってから。


そう言った日菜子は、お母さんに電話をかけて遅くなる理由を伝えていた。


その内容は嘘だけど、家に帰らないという事は、私を信じてくれてはいるのだろう。


電話が終わった日菜子に、夜の校舎で何をしなければならないのか、何が起こるのかというのを、ノートに書きながら説明した。


見えない壁、校内放送、「赤い人」、バラバラのカラダ……。


書き出してみると、思ったよりも説明する事は多い。