ひとりにしておけるわけがないじゃない。


そんな日菜子を見て、無意識のうちに溜め息を吐いた時だった。


「……ごめん」


小さく、そうボソッと日菜子が呟いたのだ。


やっとしゃべってくれた。


この数時間、すごく辛かったよ。


「い、いいよいいよ。落ち込んで当然だもん。まともに『カラダ探し』をしてるんだからすごいよ」


遥に対して恨みはあるだろう。


お兄さんに対してもそれはあるかもしれない。


誰にどんな気持ちを向けていいかが、わからなくなっていて当たり前だ。


「私、誰を信じればいいのかな。何か疲れちゃった」


しばらく考えて、やっと出した答えは諦めか。


誰を信じればいいか……か。


そんなの、私にもわからないよ。


しっかりやってくれると思っていた中島君。


日菜子と仲がいいと思っていた遥もそう。


結局はそうではなくて、私だって人を信じなくなっているから。