校内放送が流れた。


そんな……これじゃあどこにいるのかわからないよ。


どこの棟なのか、何階なのかすらも。


「ああ? どこだよ……校内放送の意味がねぇだろ、これじゃあよ」


「シッ! 歌が聞こえるか、どうかで判断するしかないよ……」


目を閉じて耳を澄ますけど、死の歌声は聞こえない。


ここから遠くにいるのかな。


「……うん、今のうちに生産棟に行こう」


日菜子の背中にポンと手を当て、私達は階段を上って二階の廊下に出た。


遥と小川君はもう一階に到着したかな。


中島君はどこに行ったかなと、いろんな事を考えながら。


生産棟に向かう渡り廊下。


どこから見られているかわからないから、ここはかがんで行かなきゃね。


「いい? なるべく見つからないようにかがんで」


日菜子は小さくうなずき、私と一緒にかがんで移動を始めた。


そして、渡り廊下の真ん中くらいまで来た時、不意に頭上から声が聞こえたのだ。