慌てて駆けよって、私の肩を揺すって。


「……え? あ、ああ、うん。幸恵がね……『カラダ探し』を頼みに来ただけ」


まだドキドキしているよ。


折れた首だけに意識がいっていたけど……頭や腕からは血が垂れていた。


また中島君がやったのだろう。


「昨日」、私達が中島君の行動を否定した事に対する腹いせなのか。


その恨みが、反論も反撃もしない幸恵に向けられたのかな。


「とにかくここを出よう。どうして地下室の扉が隠してあったのか、森崎さんが求める答えを見つけたかもしれないよ」


地下で、高広と八代先生は何を見たのだろう。


今すぐにでも話を聞きたいけど、いつまでもこの屋敷にはいたくないし……。


高広の手をつかみ、立ち上がった私は、震える足で何とか歩き始めた。


倉庫を出て、屋敷の外に出た私は、今まで震えていたのが嘘のように、解放感に包まれて……スーッと震えが引いたのだ。


やっぱり、この家が原因の部分もあるんだろうなと、振り返って屋敷を見た時……。











懐中電灯で照らした玄関のドアに、黒い手が現れたのだ。


「あ……ああ!! 高広! 八代先生! に、逃げて!!」


私が前を向くまでに、ドアからその顔をのぞかせて、こちらを見ているように思える。