廃屋の中に、隠されるようにあるドア。


もう、これ以上はないくらい不気味な雰囲気を醸し出して、私達が入ってくるのを拒絶しているよう。


「じゃあ……行ってみようか。森崎さん、先に行くかい?」








えっ!?


わ、私が先頭!?


いくら「カラダ探し」をしていて、万が一何かあっても明日になれば目を覚ますとはいえ……それは怖い。


「誰が行ったって同じだろうが。行かねぇなら俺が行くぜ。懐中電灯くれよ」


そう言い、八代先生から懐中電灯を奪い取った高広は、もの怖じせずにそのドアを開けた。


それに続いて私もそこに入ろうと歩を進めると……。










「カエレ!!」











ドンッと、何かに突き飛ばされるような衝撃と共にその声が聞こえ、私は床に倒れてしまったのだ。


「い、いったぁ……な、何よ!?」


誰かに押されたわけじゃない。


まるで身体が弾かれるように、私は後方に飛んだのだ。


「森崎さん!? な、何の冗談だい、それは……」


「冗談なんかじゃ……私、ここから先は入れてもらえないみたいです」