まさか今日行くなんて思ってなかったから、心の準備が……。
「そうだね。明日になれば、森崎さんはまた同じ事を僕達に話す事になるだろ? それだったら今日のうちに行った方がいいと思うよ?」
八代先生まで。
何がそこにあるのか……今から少し不安になってきた。
食事を終わらせて、すぐに家を出た私達は車に乗り込んだ。
「留美子がいなくてよかったぜ。あいつがいるとギャーギャーうるせぇからな」
前に行った時に文句でも言ったのかな?
「さて……なんかドキドキするな。僕もあの家に行くのは何年かぶりだからね」
「この前行っただろうが。ああ、『カラダ探し』の時だったから覚えてねぇか」
「そういう事だね。じゃあ行くよ」
高広の話を軽く受け流して、八代先生は車を動かした。
車だとここから10分もかからないとの事で、心構えをする時間もない。
「気をつけないといけないのは、何が起こるかわからないという事だよ。ひどい言い方かもしれないけど、幽霊に関しては僕は何もできないからね」
八代先生だけじゃない。
私だってそんなのどうすればいいかわからないよ。
しばらく走って学校を通り過ぎ、いつか行った健司の家の方へ。