どういった感情なのか、うれしそうでもあり、悔しそうでもあるような表情を私に向けて、フフッと笑って見せた。
「先生がいなかったら、私達の誰もがそんな事をしようだなんて思ってませんよ。先生がいたから、皆頑張ってこれたんです」
本当に、八代先生の存在は大きい。
出会ったのは偶然だったけど、あの日旧校舎に行って、本当によかったと思ってる。
とりあえず考えをまとめようと、届いたピザを食べながら話をする事に。
さっきまで寝ていた高広も、やっとメシかと言わんばかりに飛び起きて食べている。
「何か、ここに来たら毎回同じピザだな。まあ、それも悪くねぇけどよ」
調べもしていないのに、ただ食事をして寝ているだけの高広がブツブツと呟く。
「森崎さんはこう言ったね? 『美紀のお父さんが黒くて怖い人を呼んだ』って。これはいつの事なんだろう? 美子が死ぬ前? それとも死んだ後? あの倉庫に何があるのか、調べてみる価値はあると思わないかい?」
倉庫に何があるかというのは確かに気になるけど、時期は関係があるのだろうか?
でも今はピザ。
八代先生の話半分、食事半分だ。
「て事は、今から行くのかよ? あの廃墟によ」
「えっ!? い、今から!?」
ピザを手に持ったまま、高広が言った言葉に驚き、それをひと口。