「もう……何のためにここに来たのよ。調べないで寝るだけ?」


そんな高広に呆れてしまう。


だけど……。








「いいだろ別に。明日香と一緒にいれるなら、俺はどこだって構わねぇんだし」







その言葉に、ドキッと胸が高鳴るのを感じた。


自分が言った事の意味に気づいたのか、照れたように顔を横に向ける高広。


言っておいて照れないでよ……。


私まで照れちゃうじゃない。


まあ、そう言われて悪い気はしないけどさ。


むしろうれしいかな。


大好きな高広が、そんな風に思ってくれているんだから。


「もう……そう思うなら少しは手伝ってよね。その方が早く終わるでしょ?」


「早く終わらない方が明日香と長くいられるだろ?」


一度恥ずかしい事を言って開き直ったのか、以前の高広なら絶対に言わないような事を言っている。


ただ寝るために言ってるだけのような気もするんだけど。


「わかったよ。ひとりで調べればいいんでしょ。高広はいいよね、あせらなくてもいいんだからさ。私なんて残り何日かでいろいろやらなきゃならないんだからね」


私が言える精一杯の皮肉。