昼休みが終わり、またひとりぼんやりと過ごす時間が訪れた。


気持ちのいい風を浴びながら、違和感のあるヒビ割れた空を見上げる。


心配事がひとつ片づいて、少しは安心できるかと思ったけど、重要な事は何も解決してないんだよね。


黒くて怖い人。


別に追い払わなくても、美紀の「呪い」を解く事はできそうだし、直接関係はないかもしれない。


むしろ、美紀の頼みを聞く必要性があるのかどうかも怪しい。


そして「赤い人」。


「カラダ探し」と「赤い人」の「呪い」は別物で、美紀が美子を縛っている。


美紀をどうにかしなければ、美子はどうにもできないと。


それくらいしかわからないから、未だ解決策は見つからないのだ。


少しでも情報を得られればと、美紀の頼みを聞こうとしているのかな、私は。


「……まだ10分しか経ってない」


携帯電話の時計を見ながら、時間の経過の遅さに、私は不満を漏らした。


何をしていても時間は誰にでも平等に流れる……か。


いつかどこかで聞いた事のあるその言葉が、やけにむなしく頭の中を駆け巡る。


だったら、眠ってる時もこれくらいゆっくりに感じてよ……。


寝てから目が覚めるまで、ほんの一瞬のように感じてならないから。


それから放課後まで、永遠に感じるくらいの時間をひとりで過ごし、放課後になると高広とふたりで話をした。