「はいはい、私も遥が一番嫌いだよ。だったらあんな事言わなきゃいいのに」


遥の言葉を軽く受け流しながら、目の前のお弁当を食べる。


皆と食べるお弁当は美味しいのに、遥と一緒だとどうしてこんなに不味いのか。


「二見みたいな話し方をする奴、イライラするのよ。本当は普通に話せるのに、可愛く見せるためにわざとトロく話してるの、私は知ってるんだから」


……意外とするどい。


なんだかんだ言って、遥は皆の事をよく見てると思う。


「後は……そうね。本当にトロい小川君とか、クラス委員の中島君もないわね。あのふたりと『カラダ探し』を一緒にする事になったら終わりだと考えていいわね」


教室を見回して、ふたりを指差す遥。


まあ、小川君はわからなくもないけど、どうして中島君がダメなの?


面倒見がよくて、優しい人なのにさ。


単純に遥が嫌なだけなら、私は何も言えないんだけどさ。


そんな事を話しながら、私は入学以来、最も美味しくない昼食を食べた。