「最初が肝心なのよ。あなた達は初日に上手くまとまって、カラダを探したのかしら? 家に帰ろうとしなかった? それだけで一日無駄になるのよ。二見さん、あなたは股だけじゃなくて頭もユルいのね。知ってたからガッカリしないけど」


遥の嫌味は止まらない。


さすがの結子も、ピタリとその指を止めて、まぶたをピクピクさせながら遥をにらんでいる。


ダメだ、これ以上遥に話をさせると、ここにいる皆を敵に回しかねない。


「は、遥! ちょっと来て!」


慌てて手招きをすると、「何よ」というような目で私を見て、ゆっくりと立ち上がる。


ここでお弁当を食べるつもりだったけど、雰囲気が悪くなるならやめた方がいいと思ったから。


「ゴメン、皆。私、教室に戻るね」


そう言って、遥を連れて校舎の中に入った。


遥ひとりでこんな調子じゃあ、「カラダ探し」ではどうなるのか……。


不安がますます大きくなってきた。


教室に戻って私の席で、遥とふたりで昼食。


昨日まではこんな状況、想像もしてなかったのに。


「いい? 勘違いしないでよ? 留美子も二見も、私はどうでもいいの。一番嫌いなのは明日香、あんたなんだからね」