そして……気が狂いそうなほどの痛みを味わった私は、いつの間にかフッと落ちるように、すべての感覚がなくなっていったのだ。
「赤い人」が、歌を唄い終わったのだろう。
いつしがみつかれたのか。
いつ歌を唄っていたのかはわからなかったけど、やっとこの痛みから解放されたんだと、心底安心して。
幸恵のカラダを棺桶に納める事ができなかったのが心残りだけど……。
それでも、この苦しみから逃れられるなら、何でもよかった。
私が望んだ死が……やっと訪れたのだから。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…