そして……気が狂いそうなほどの痛みを味わった私は、いつの間にかフッと落ちるように、すべての感覚がなくなっていったのだ。


「赤い人」が、歌を唄い終わったのだろう。


いつしがみつかれたのか。




いつ歌を唄っていたのかはわからなかったけど、やっとこの痛みから解放されたんだと、心底安心して。


幸恵のカラダを棺桶に納める事ができなかったのが心残りだけど……。


それでも、この苦しみから逃れられるなら、何でもよかった。









私が望んだ死が……やっと訪れたのだから。