「明日香が……消えたその日に、美雪は『赤い人』を見たって言ってた。つまり、『呪い』は重複するって事か」
ぼんやりしていた翔太も、話は聞いていたんだ。
これが高広や留美子だと、何も聞いてなさそうだけど。
「そんな感じかしらね。それより、私と明日香の他に、誰が頼まれていたか見てない?」
「カラダ探し」経験者である、この中の誰かなら楽だと、遥も感じているのかな。
でも、皆わからないといった様子で、私が見ると首を小さく横に振った。
私が「カラダ探し」を頼まれたのは冗談だと思っていても、遥の言葉であっさりとひっくり返されてしまった。
それほどに、遥には説得力と影響力があるのだと感じた。
他の皆も……「カラダ探し」じゃないと言っていた留美子でさえも、少し話しただけで「カラダ探し」をさせられるんだと思っているようで、心配そうに私を見る。
「でもぉ、夜になればわかるんだしぃ、慌てなくてもいいんじゃないのぉ?」
自分に関係のない話に飽きてきたのか、結子が退屈そうに髪の毛を指にクルクルと巻きつけながら呟いた。