階段まで走った私は、そのまま三階へと急いで駆け上がった。
脚が震えて、何度も転びそうになったけど、手すりにつかまって。
三階に着いて、廊下に飛び出した私は……ひとつ目の教室の入口の前。
血溜まりの中に落ちている、小川君のメガネと……肘から千切られた腕を見つけてしまったのだ。
ドアが破壊されていて、教室の中へと続く血を追うように……私は歩を進めた。
こうなる事はわかっていた。
ひどい事をしているというのもわかっている。
「カラダ探し」はそういった事もしなければならないとわかっている……けど。
やっぱり、誰かが死んでいるところを見るのは辛い。
血が続く教室の中へと視線を向けて、歩くたびに広がる凄惨な光景。
教室の入口に立って、携帯電話の照明を向けた私が見たものは……。
窓際で、何かを抱えたまま横になっている小川君の首のない亡骸だった。
床には、「昨日」私が使ったものと同じナイフが落ちていて、それで死ぬ間際まで頑張っていたのだろうという事がわかる。
「赤い人」に腕を千切られ、ぬいぐるみの中から取り出したカラダを抱えたまま……。
首を飛ばされた。