遥にさんざん言われて、ホールから遠い場所から調べようとしたのだろうけど……これ、本当に調べてるの?


もしもこの中にカラダがあったとして、気づかずに次の教室に行ったとしたら……。


元の場所から動かしてしまった事になって、別の場所に移動してしまうんじゃないの?


そうではないという事を祈りたい……。


中島君が散らかしたであろう室内を再度調べ始めた私は、この行為に意味はあるのか、頭を悩ませた。


漏れはないと信じたいけど……早く早くと思えば、しっかり見る事ができなくなるんじゃないかと思ったから。


美術室をなんとか隅々まで調べて、カラダがない事を確認して隣の部屋に。


そこも、台風でも来たのかと思うような惨状だったけど、ここにもない。


考えすぎだったかな……と、教室を出ようとした時。


音楽室の方から、派手に何かが落ちるような音が聞こえて……。













『「赤い人」……産棟三階に現……した。皆さん……つけて下さい』













それと同時に、校内放送が流れたのだ。


これって……まずいんじゃないの!?


私がそう思うより早く、廊下の南側から聞こえるあの声。