どちらかが見つかったら、叫んで知らせるって言っていたけど、この場合はどうすればいいのだろう。


見つかってはいないから……まあいいか。


でもあれは心臓に悪いよ。


タイミングが悪かっただけだろうけど、まさか「赤い人」の声にまぎれてドアを開けるなんて。


とにかくここにはいられない。


遥には悪いけど、別の所を調べるしかないよ。


東棟と西棟を調べるのは最後に残しておくとして……行くなら生産棟の三階か体育館かな。


日菜子がこっちに来て、武司まで同じ場所にいるとは思えないけど、それでも物音に注意しながら階段を上る。


万が一……そう考えると、4人しかいない今日の「カラダ探し」で、すでに小川君は殺されていると仮定すると、3人で調べなければならないのだから。


そのうちひとりは中島君。


どうしても頼る事はできない。


そんな事を考えて階段を上がっていると、上の階からゆっくりと下に向かって移動する冷気が足にまとわりつくのを感じる。