私が思っている事を遥が叫んで、振り上げたその手で中島君の頬を叩いた。


パンッという音が聞こえてすぐに、中島君が今度は遥につかみかかった。


「何するんだよ! お前も殺すぞ!」


「たった2回、死んだからっていい気になるんじゃないわよ!! 私が何百の死を経験したかも知らないくせに!!」


遥の剣幕に圧され、つかんだ手を離す中島君。


弱い者に強く、強い者に弱い。



本当にそう感じられる態度が情けなくて、こんな人に日菜子は殺されたのかと思うと悲しくなる。


「くそっ……くそっ! どいつもこいつも俺をバカにしやがって! お前らが俺をバカにする権利があるのかよ! ふざけんな!」


遥に向けられていた怒りが、爆発して再び武司に向く。


制服をつかんで起こした武司の頭部を、花壇の縁に力任せに叩きつけたのだ。


何度も何度も……狂ったように。


そして……武司は本当に動かなくなった。


今から「カラダ探し」をしなきゃならないのに……何してるのよ。