「やめなよ! これ以上やると、袴田君が死んじゃうよ!」
「うるせぇ!! 1回殺してんだ! 何度だって殺してやる!!」
中島君が叫んだその言葉に、うつむいて涙を流していた遥が顔を上げた。
何度だって殺してやる。
中島君の言葉は、死んでいる日菜子に向けられたようにも思える。
昼間、遥にけなされて、笑っていたのは小川君だけじゃない。
日菜子も笑っていたのだから。
プライドが高い中島君はそれに怒って、日菜子を……。
そう考えていたのは遥も同じなのだろう。
小川君と揉み合って、それでも武司を殴る中島君に近づいて、低く、呟くような声を出したのだ。
「あなたね……香山さんを殺したのは」
だけど、倒れている日菜子を見て、ハッと笑って見せた。
「何だよ、死んでるのか? 俺を笑った罰だな」
悪びれた様子もなく、そう言った中島君に、私は激しい嫌悪感を覚えた。
いったい、人を何だと思ってるの?
クラスメイトを何だと思ってるのよ!!
「中島……私は絶対にあんたを許さない!」