日菜子、小川君と中島君はまだ横になっていて、武司はいつもと同じく花壇にもたれている。
時間がきて、スッと立ち上がったのは遥だけか。
「皆、始まったよ! ほら、起きて!」
私の声で、ゴソゴソと動き始めたのは小川君と中島君。
日菜子は起きない。
よほど疲れていたのか、ピクリとも動かないよ。
「ほら、日菜子も起きて! ドアが開くよ!」
私の隣で眠る日菜子を揺する。
だけど……グラグラと首が左右に揺れるだけで、まったく起き上がる気配がなかったのだ。
……な、何だろう。
何か嫌な予感がする。
こんなに揺すっても起きないなんて、絶対におかしいよ。
それに、日菜子の胸が上下していないのも気になる。
呼吸をしていれば、かすかにでも動くはずなのに。
恐る恐る……首筋に手を当ててみると。
感じるはずの日菜子の脈動を、感じ取る事ができなかった。
「は、遥! 日菜子が息してない! 脈もないよ!」