人と人が仲良くなるのは悪い事じゃないんだけど、そこに私がいないと思うと、孤独を感じるよ。


ウトウトしながらそんな事を考えて、何度か眠りに落ちそうになったその時だった。















「お姉ちゃん……」
















虫の羽音くらいのかすかな声が……聞こえたような気がした。


「えっ?」


その声で目を開けて、身体を起こした私は部屋の中を見回すけれど……誰もいない。


「夢……かな?」


眠りに落ちる瞬間、夢と現実を混同して、あたかも本当に呼ばれたような気がしただけだよね。


ひとりっ子の私を、「お姉ちゃん」なんて呼ぶ人はいないから。













「お姉ちゃん助けて」













どれだけ眠っていただろう。


夢の中で誰かがそう言って、私は目を覚ました。


部屋の中はもう真っ暗になっていて、夜になっているんだというのがわかる。


携帯電話の時計を見ると23時21分。






「嘘だぁ……どれだけ寝てたのよ」


お母さんが晩ご飯に呼びに来たはずなのに、それでも起きなかったなんて。