やっぱりダメか。
ひとつずつ物事を片づけようとしても、すべての事が後回しになっているようで、もどかしく感じる。
学校に戻って屋上に行くと、そこに遥と日菜子の姿はなかった。
まさか幸恵がいる教室に行っているとは思えないし……。
「おかしいな、どこに行ったんだろ。まさか帰っちゃったとか?」
ありえない話じゃない。
だけどそれなら教えてほしかったよ。
「かもしれねぇな。香山に連絡してみたらどうだ?」
高広に言われるまでもない。
私は携帯電話をポケットから取り出して、メール作成画面を開いた。
『今どこにいるの? 学校に戻ってきたんだけど』
と、日菜子に送信して、私はカバンからお弁当箱を取り出した。
お昼には少し早いけど、お腹が減っているから。
メールの返信を待つ間に食べておけば、すぐに動く事ができる。
私がお弁当を食べ終わる頃に返信があればいいんだけど……。
半分に切った玉子焼きをひとつ、口に入れたその時に携帯電話が鳴ったのだ。
まだ食べ始めたばかりなのに。
口をモグモグさせながら携帯電話を手に取って、メールを開いてみると、そこには思いもよらない文章が書いてあったのだ。