ぬいぐるみの中にひとつある事はわかっているけど、それを合わせてもあと5つ見つけなければならないのだ。
「やっぱりよ、あいつしかいねぇと思うんだよな。人のために動くかどうかはわからねぇけどよ」
「袴田君ね。今日明日で何が変わるとも思えないんだけど。あの姿を知らないでしょ?」
「昨日」の高広は、無抵抗の武司を殴っていたけど、まさか小川君の事を頼みに行くのに、また殴らないよね?
「まあ、行ってみるしかねぇだろ。小川と明日香は連れていくけどいいだろ? 中島に何されるかわからんねぇからな」
私は行くって言っていないのに……。
少し粘って、遥の過去を知りたいなとも考えていたけど。
私の知らないところで武司を殴っても困るし、遥の事は後でもいいか。
「わかったよ。だけど、武司を殴るのはダメだからね!」
そう言って立ち上がり、スカートのホコリを払った。
武司の家に行くのは、私と高広と小川君。
日菜子は、遥と一緒に学校に残るらしい。
本当にいつ仲良くなったんだろう。
学校を出て、話をしながら歩いた私達は、武司の家にやってきた。
もう11時。
朝一で嘔吐したから、ずいぶん前からお腹がペコペコだよ。