それが、今の私達にとっていい事か悪い事かはわからないけど、中島君は私が思っているような人ではないという事だけはわかった。
「ええ、ああいうタイプには、前に苦しめられたから。雰囲気でわかるのよ」
そうだったんだ。
私は遥の事を知らない。
どんな人生を送ってきて、どんな友達がいたのかという事も。
「遥ってさ、どうしてそんなに人を信じなくなったの? まさか生まれつきじゃないよね?」
私が尋ねると、遥は迷惑そうな表情を浮かべてにらみつけた。
き、聞いちゃいけない事だったかな。
「思い出したくない事を詮索しないでほしいわね。でもまあ……少しなら話してあげてもいいわ」
予想外の答えだった。
てっきり、何も教えてくれないとばかり思ってたのに。
「私は『カラダ探し』で人を信じなくなったの。友達に裏切られ、お母さんに裏切られ、何も信じられなくなった。わかる? 明日香みたいに、仲良しこよしで『カラダ探し』を終わらせたわけじゃないの」
詳しく何があったのかはわからない。