学校に行く途中で留美子と出会い、3人で登校した。


留美子は昨日の事をまだ根に持っているようで、高広をにらんだり私に遥の愚痴をこぼしたり。


学校に着く頃には落ち着いたのか、少しは愚痴もマシになっていた。


「明日香、あんたマジで言ってんの? 昨日の今日だよ?あのバカと一緒に帰らないと、遥がまた待ち伏せするよ!? いいの!?」


生徒玄関に入り、靴を履き替えて教室に向かう間に、留美子が私の不安を煽る。


言われなくてもわかってるけど……私がいないからって、ほいほい遥の誘いに高広がのるとは思えない。


「日菜子と約束したからね。それに、高広なら大丈夫だと思うし」


「はぁ……まあ、あの純情バカが、ふた股かけるとは思わないけどさ」


バカバカって……確かにバカではあるんだけどさ、言いすぎじゃない?


留美子の言葉に頬を膨らませて、教室に入ろうとしたその時だった。











「じょ、冗談じゃないわ!! どうして私なのよ!!」











教室の中から、校舎全体に響いてるんじゃないかというような怒鳴り声が聞こえた。


慌てて中をのぞいてみると……遥が、クラスメイトの幸恵につかみかかっていたのだ。