さらに遥が言った言葉で、私も中島君ににらまれてしまった。


「何なんだよそれ……そんな奴ら信用できるかよ! わかったぞ、どうせ俺をだまそうとかしてるんだろ!?」


どうしてそうなるんだろう。


「カラダ探し」を知っているからこそ、頼んだ事があるからこそわかる事があるのに。


幸恵に「カラダ探し」を頼まれた私達は、全員同じ立場なのに。


興奮している中島君は、そんな簡単な事も理解できていないのかな。


「救いようのないバカね。勉強ができても、かしこいわけじゃないって典型ね」


呆れたように言った遥の言葉で、日菜子と小川君がクスッと笑う。


そんなふたりを中島君はにらみつけて、怒りに満ちた表情で近づいたのだ。


「おい、ヲタク野郎! テメェは何笑ってんだよ!」


言うより早く、柵にもたれていた小川君の腹部に蹴りを入れる中島君。


「げふっ!! ご、ごめ……」


謝ろうとしているのに、まるでうっぷんを晴らすかのように頭部を上から殴りつける。


あまりに突然の事で、何が起こったのかわからずに私達が呆然としている中で、真っ先に動いたのは……隣にいた日菜子だった。


「ちょっと……中島君! やめなよ! そこまでするほど小川君は悪い事してないよ!」