他人にここまで言われた事がないのだろう。
クラス委員で誰からも頼りにされていて、文句や陰口を誰かが言っているのを聞いた事がないのに。
「ふざけんなよ……何でも知ったような顔をしやがって!だったらどうしてこれを止めようとしない!? 俺はやろうとしたぜ! 幸恵を殺せば、『カラダ探し』なんてしなくてすむと思ってな!」
やっぱり中島君が幸恵を……。
それも、私達としっかり話をしていれば出ていた答えかもしれないのに。
必要な事だけ聞いて、ひとりで大丈夫だと判断して話を切り上げたのは中島君なのに。
話す事話す事、すべてが裏目で、ここにいる誰も、中島君の味方をしようとはしなかった。
「お前が幸恵を殺そうとしたのかよ。無駄だぜ? 俺達も何度遥を殺そうとしたか。でもよ、死なねぇんだよ」
遥を指差し、高広が首を横に振っておどけたように言ってみせた。
でもそれは、逆に中島君を刺激してしまったようで……。
「どういう事だ……殺そうとしても死なないって。まさか三神、お前も『カラダ探し』を頼んだ事があるのか?」
「だとしたらどうだって言うの? 私だけじゃなくて、明日香もそうだけど」