夜の校舎に持って行く事はできないし、昼間は「カラダ探し」をやっている私達の前には「赤い人」は現れない。
それも含めて美紀の「呪い」なのだ。
囚われていた私は、その事を知っている。
当然遥もそれは知っているはずだ。
「だけどそれは、美紀の『呪い』が解けた後の話になるけどね。美子が解き放たれて……赤い服を渡せるかどうか」
すごくシンプルな気がするのに、とても難しい。
渡そうとして殺されてしまうのは嫌だし、だからといって渡さなければ「呪い」は解けないんだよね。
いったいどうすればいいのだろう。
「どちらにしても、今は何もできそうにないわね。『呪い』が解けた後って言うなら、ますます私には関係なさそうだし」
遥の言葉に、私は何も反論ができなかった。
八代先生から聞いた事で、何もできる事がないと言うのを改めて知ってしまった。
今の、この段階では。
八代先生と話をしていても、これ以上は何も進展がない。
私達は八代先生にお礼を言って、旧校舎を後にした。