「う、うん……」
そんな日菜子と小川君を置き去りにして、話は進む。
私が知りたい事は、「赤い人」が何を望んでいて、それを叶えるにはどうすればいいのかという事だ。
「だがね、相島さんがその『呪い』を解こうとしているんだろう? 世界がどうにかなってしまった後では何の役にも立たないかもしれないが、もしも美紀の『呪い』が解けた後に何も起こらなかったとしたら……その時がチャンスだろうね」
八代先生に言ってもらえて、私の考えは間違っていなかったと思えた。
まったく同じ事を、私も考えていたのだから。
そのチャンスを活かすために、私達は準備を進めなければならない。
「美子の望みなんて簡単じゃない。赤い服がほしいんでしょ? だったらあげれば? 血で真っ赤になったわけじゃない、本当の赤い服を」
お、おお……。
協力してくれないと思っていた遥の口から意見が。
確かにそれは、歌を唄っている時点でわかっていた事だけど、どうやって赤い服を渡せばいいのか。