私達も……「カラダ探し」を頼みに来た遥を殺そうとしていたんだから。
今、中島君は学校にいない。
登校してきたら問い詰めようとしたのだろう。
遥が屋上にやってきたのはホームルームのチャイムが鳴った後だった。
思い通りにならなくて、ムスッとした表情で。
「まったく……私が何のためにあんな気味の悪い奴の前で待っていたと思ってるのよ」
「私達しか気づかないからね。あんな姿でも死んでないし」
「カラダ探し」を始めて三日目。
それなのに事態は悪くなる一方で、私が期待している「協力」とはほど遠いものになりつつある。
女子はそれなりにまとまっているとは思うけど、男子はバラバラ。
武司なんて、まだ自分で動いてさえくれない。
「中島君が来ないうちに……八代先生に話を聞いてこようかな。やる事もないしさ」
携帯電話の時計を見て、フウッと溜め息を吐いた私に、高広が不思議そうに首を傾げて尋ねた。
「八代先生に何か用なのか? もう何も聞く必要はねぇだろ」
「うん……ちょっと、『赤い人』の『呪い』をね。私ができる事をしたいからさ」
もう、いつ同じ事を高広に言ったのかもわからなくなっているよ。