よく見ると顔が真っ青で、幸恵の姿を見て気分が悪くなったのだとわかる。


「小川君も幸恵を見たんだね。あの時間だったら、ちょうど電車の中にいたんじゃないの?」


日菜子の質問に、ビクッと身体を震わせる小川君。


「う、うん。電車の中だったけど、その時はまだ普通だったよ。それなのに学校に来たら頭が……うぷっ」


小川君の前に現れた時は、まだ頭が削れてなかったって事だよね。


「……あれ? 私はてっきり中島君がやったと思ってたんだけど。小川君と中島君って同じ電車じゃないの? 電車の中で何をしたらあんな風になるんだろ」


「な、中島君は……いなかったよ。珍しいよね、遅刻するなんてさ」


そうは言いつつも、安心したような笑みを浮かべる。


心配をしているような顔じゃない。


「だとしたらよ。家にいる中島がやったとしか考えられねぇんじゃね? 何考えてんのか知らねぇけど」


私もそう思う。


だけど、何も知らなければそういう行動に出てもおかしくはないんじゃないかな?