「ねえ遥と明日香……私のカラダを探して」
幸恵に何があったのか。
昨夜、武司の内臓を見た時よりも衝撃的な光景に、私の身体がもたなかった。
気持ち悪さと不気味さ。
遥が屋上から落ちた直後に、「カラダ探し」を頼みに来た事があったけど、もしかして誰かが幸恵を?
「お、おい。何吐いてんだよ。遥も腰を抜かすなんてよ……」
そう言って、私の背中をさすってくれる高広。
あんな姿なのに、高広も留美子も気づかないの?
……ああ、遥の時も、クラスの皆は遥の異変に気づいてなかったな。
あれは、そういう事だったのかと、今頃になって理解したよ。
「幸恵が? いつもと変わらないように見えるけどよ……」
教室に入って、どうして嘔吐したのかを説明しても、やっぱり高広にはそうは見えていないようで。
日菜子なんて教室に入れないのか、廊下から室内の様子をうかがっている。
「ゴメン高広。幸恵があんなんじゃ、教室にいられない」
前から二番目の席に座っている幸恵の姿は、嫌でも目に入ってしまう。