「でもよ、取り出しても殺されたら意味がねぇだろ。俺達が何人死んだか知ってんだろ?」


「カラダ探し」をする前はあれほど高広にアプローチをかけていたのに、今はそうじゃない。


一緒に歩く留美子に取る態度と、何も変わらないのだ。


それは、言葉にも現れていた。


「それを最後に残したあなた達のミスでしょ。ぬいぐるみからカラダを取り出せば、死んだって構わないのよ」


「おいおい、そんな事になったら、カラダが別の……あ」


「あ」


高広がそこまで言って、私も留美子も同じ答えにたどり着いた。


どうしても棺桶に納める事ができそうにない場所にカラダがあるのなら、運んでいる途中で死ねば、それはまた別の場所に隠される。


前のように他の部位を全部見つけた状態でそれをしてしまえば、校舎をもう一度調べなければならないけど、まだ工業棟しか調べていない今なら……。


「そういう事よ。ナイフでも包丁でも使ってぬいぐるみを切り裂けば、取り出す事くらい簡単でしょ? それに、実行するのがひとりなら、他の人がそのカラダを棺桶に納めればいいだけだし」


遥のカラダを探していた時とは違う。


今回に関しては、難しく考える必要なんてなかったんだね。