「ダメだよ遥、やっぱり皆で協力しないと。ぬいぐるみの中に、幸恵のカラダが隠されてる」


遥の顔色が変わり、驚いたような目を私に向けた。


「それ、本当なの? 何かの間違いじゃないの?」


「『赤い人』にしがみつかれた時に……こうやってぬいぐるみを触ったらさ」


お腹の上で、まさぐるように手を動かしてみせる。


あの中には、確かに何かがあったけど……それが本当に腕かどうかは、見てみなければわからない。


「方法は……ないわけではないけど。やるなら早い方がいいわね」


何か、安全な方法があるのかな?


私達がぬいぐるみの中から遥の頭部を取り出して、棺桶の中に納めた命のリレー。


決死の覚悟で挑んだのに、もっと安全な方法があるのなら、早くに知りたかったよ。


「その方法って何なの? 逃げながらぬいぐるみの中からカラダを出すとか?」


「まあ、そうなんだけどね」


私が尋ねると、そっけなく呟く。