まあ、「昨日」高広が殴りに行ったけど意味がなかったと言ったからなのかもしれないけど。
今日はお腹から背中にかけて痛みがあって、上半身がフラフラと落ち着かないけれど、「昨日」みたいに歩くのがやっとというわけじゃない。
「でも……私があんな事をしなきゃ、中島君はずっと調べてたかもしれないでしょ? あんなに血が流れてたら、長くは持たないと思うし……」
「だけどよ、中島を止めなかったら、ずっと誰かを犠牲にするかもしれねぇだろ? 最後にひとりになったら、あいつはどうするつもりだ」
まだその事は中島君は知らないはず。
用心深い遥は、そこまで話していなかったから。
確かに、今のうちに中島君に伝えるべきかもしれない。
最後のひとりになった時に、最後のカラダを納めてしまうと、幸恵かその人が棺桶に入らなければ「カラダ探し」は終わらないという事を。
遥がなぜそれを言わないのか……わかる気がする。