昼間は高広がいるから大丈夫。
何かあっても、私を守ってくれる。
なんて、都合のいい事を考えながら。
学校には行きたくない。
だけど、そう思っていても行かなければならない理由はあるし、家にいても美子の「呪い」について何もわからないから。
気が乗らないけど、制服に着替えた私は準備をすませて、高広が待つ家の外に出た。
「おう、明日香……って、どうしたんだよ。元気がねぇな」
どこまで話せばいいんだか。
「カラダ探し」の事を話せば、一緒にさせられている人の事を聞かれる。
そうなれば、また武司を殴りに行くのは目に見えているし。
言わなければ、中島君が私に何をしたとしても、何が起こっているかわからずに見てるだけなんだろうな。
どこまで……何を言うべきなのかわからずに、私は口を開いた。
「私さ……中島君の腕をナイフで切ったんだ」
顔の皮膚が後ろに引っ張られているような……カミソリの刃が肌をかすめているような感覚。
お母さんに怒られるとわかっていて、成績表を見せる時の感覚に似ている。